ハーセプチンの登場で、her2陽性乳がんの治療成績は劇的に変わった。そしてそのハーセプチンに、今回、手術前に治療を行う術前療法の適応が加わった。それは乳がん治療にどのような光をもたらすのか──。監修 髙橋將人 北海道がんセンター乳腺外科医長 初期治療(術前・術後) 薬物療法の期間は? ホルモン療法:5~10年間 化学療法:3~6ヶ月 抗her2療法:ハーセプチン1年間 進行・再発 治療 効果が認められる期間 副作用が容認できる期間 緩和ケアへ移行するまで継続 エビデンスに準じて決定 化学療法(抗がん剤) 治療効果: 細胞分裂のいろいろな段階に働きかけてがん細胞を死滅させる効果があり、乳がんは比較的化学療法に反応しやすいがんとされています。 治療内容: がんに対して用いられる化学療法には注射薬や内服薬があります。 術前化学療法で乳房温存手術が可能な場合 ケース2. 術前化学療法 術後の化学療法と同等の再発を抑える効果を持っているので、標準治療のひとつです。 乳房温存手術の適応からはずれている場合にもまず化学療法でしこりを小さくして乳房温存手術を可能にすることがあります。 術前化学療法の適応・利点・問題点 術前化学療法とは、手術より前に化学療法療を行い、その後に手術を行う治療方法(方 針)です。日本では乳がんの9割近くは浸潤性乳がんです。浸潤癌では転移や再発 …

これを術前化学療法といいます。 この方法によって、手術や乳房部分切除術を受けられる人が増えています。 術前化学療法で腫瘍が十分に縮小しない場合は、乳房切除術を行ったり、必要に応じて放射線治療や内分泌(ホルモン)療法を追加したりすることもあります。 術前化学療法 <適応> ①腫瘍の大きさが3cm以上 ②リンパ節転移がある ③上記を含め、術前に化学療法が必要とされる場合 <ポイント> ①化学療法に針生検で組織診を行うことが必要である。腫瘍が大きくても非湿潤癌の場合は、行いません。

手術術式の決定法 乳房温存手術 温存手術の適応基準を満たしている場合 術前治療の結果、適応基準を満たした場合 ↓↓↓上の基準を満たさない場合. 全乳腺摘出術 乳房温存手術の適応基準を満たさない場合 トラスツズマブは術前および術後の補助療法としての適応があります。当院では術前および術後補助療法として使用しています。また転移、再発の際にも有効であり、化学療法、内分泌療法などとの併用もしくは単独での投与を行っています。 適応1.手術先行では「乳房温存」が困難であり、術前化学療法施行により(腫瘍が小さくなり)「乳房温存」が可能となるケース 上の図の分類で、Luminal Aタイプのみが化学療法は不要とされています。 Q.術前化学療法の適応、また化学療法をする場合に入院は必要か? <医療情報セミナー(2014年8月16日開催)より> A.回答. 遠隔転移のない場合、再発率、死亡率を低下させるために術後化学療法を行うことがあります。適応となる患者さんは、基本的に「乳がんと診断された方へ」でご紹介した病型分類に基づいて決まります。.